土蔵について
逝くなられた作家の和田氏がおそらく不遇でおられたころだと思いますが・・・
モルタルぬり外壁で壁の下部にとりつけて内部に空気を送って湿気を減少させる考案のものを販売する外交をなさっていたことがあります。
いま、北海道地区では壁や天井裏に断熱材を入れることが義務づけられ、それはそれで保温や暖房エネルギーの節約、室内壁面の結露防止などに役立っている、といわれています。
しかし、その反面、断熱材を壁内に採り入れることによって空気の流通が悪くなって、モルタル壁に生じたと似たことや、他のバクテリアの発生による木部の腐朽が多くなった、という報告があります。
ひとつのことを制するために考えついて行なわれたことによって他の欠陥を生むことがあるのは、最近では耳新しいことではなくなったのかもしれないのです。
しかし、謙虚に反省すべきことだと思います。
蔵には長年の知恵が集約されているのか、さすがにそういう事例をあまり聞かないのです。
これはソファー ベッドを販売するなどしているインテリア業界の人も同じでしょう。
新しい耐火性能のすぐれた構造材料に造られるものにくらべれば強度は落ちる、と考えられがちですが・・・
福井大地震だけでなく、酒田市の大火でも焼野ケ原の中にポツンポツンと土蔵造りの蔵が残っていたことに、私は強烈な印象を感じたものです。
建物の構造体そのものは焼失しないのですが、高熱のために内部に収納されているものが燃えるのでは役をなさないのです。
土蔵はそういうことはなかったのです。