電力料金値上げと「総括原価」
1月時点での見通しによると、79年下期(1979年10月~80年3月)の電力各社の決算は、9電力合計で「経常赤字」が2800億円強に達するとされました。
・・・このため、別途積立金を取り崩すだけでは配当も危うく、特定引当金の取り崩しや資産の売却によって配当の原資をひねり出さざるをえないといわれました。
電力会社の料金決完は「原価主義」を建前としていて、収支相つぐなわなくなる場合には、値上げもやむをえないとされています。
しかし、その計算は一般の企業の原価計算とは異なった「総括原価」という独特の概念によっています。
つまり、「電気事業法」において、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた総括原価をもって料金基準とすべきとされています。
具体的にはそれは、「実績および合理的な将来の予想を基礎として作成された電気の需給計画、工事計画等」にもとづき、「電気事業設備の減価償却費、営業費、諸税および事業報酬を総括した額」(通産省令「電気料金等算定基準」)であるとされています。
つまりそれは、原材料費、賃金、減価償却費などの営業経費に利潤相当分にあたる「事業報酬」をも資本費用として加算したものであって・・・
「原価主義」とはいうものの通常の原価概念よりは拡大された独特のものとなっています。