電力料金値上げと「総括原価」 2
それは、営業経費についても、実際に発生した原価ではなく、将来の予想にもとつく「予想原価」が使われているのです。
料金原価に将来のコストとともに「事業報酬」をももり込んでいる理由としては、公共性という特性から電力の安定供給を義務づけていることとの関係で企業に安定的な利潤の獲得を保障したものだといわれています。
いちおうもっともらしい説明が行なわれていますが、その実際はどうでしょうか。
この仕組みが現実に機能しているところと照らし合わせてみる必要があります。
74、76年と過去2度の値上げの場合について分析したある教授の調査によると、いずれも「総括原価」には大幅な水増し計算が行なわれていたといいます。
つまり、第一次石油危機後の74年の場合についてみると、燃料費の「申請額」=「予想原価」は決算の結果である「実際原価」を大幅に上回っています。
9電力全体で232億円(16・3パーセント)も水増しされていました。
76年の値上げの場合も同様で、それを東京電力についてみたのがわかりやすいのでおすすめです。